ここ数年、暖冬が続いています。寒がりにはありがたいのですが、冬に旬を迎える作物にとっては、あまり暖かすぎるのも考えものです。弊社で冬の野菜と言えば「な花」このな花、例年であれば12月の中旬以降に収穫がはじまるのですが、今年は早く花芽が上がってきたので、収穫がはじまりました。

今朝は冬らしい空模様ですね。

研修生のニャン君はベトナム出身なので、寒さが苦手ですって。

今はまだ根元に近い部分についている花芽。腰をかがめて摘み取るので腰に負担が。。

摘み取りに使う道具は、ハサミ派と短い包丁派にわかれますが、今年からハサミ派にしたという林君によると、包丁だと収穫する部分以外に傷をつけてしまうことがあるから、ハサミに変えてみたとのこと。花芽がもうちょっと高い位置に出るようになればまた変わるかもしれないですね。
な花の畑の一角に、妙に成長が遅く、葉っぱの色が薄い場所がありました。林君にこの場所だけ後で苗を植えたの?と聞くと、「この畑は全部同じ時に植えましたよ」とのこと。はて?

画像手前の株は生育が遅くて、色が黄色っぽいのがお分かりでしょうか?
では、元肥の撒き方にムラがあったのかな?などと失礼なことを考えましたがそれももちろんハズレ。なんでも畑の中で、この部分だけ水はけが悪く、長雨の時期に水たまりができていたのが原因だとか。水がたまると、せっかく撒いた肥料分が流れ出してしまうのです。うーん。同じ畑の中でもこんなことがあるなんて。
ブログ担当はごくいい加減な家庭菜園をやっているのですが、狭い畑を使っていると、ギリギリまで前の作物が植えていたりして、元肥を入れるタイミングが、次の作物を植える直前になってしまうことが多いのです。これがダメだってことはなんとなくわかちゃいるんですが、でも早めに入れると流れちゃうこともあるってことで、そもそもなんで元肥を入れてから、しばらく作物を植えちゃいかんのか?というので、事務所に戻って、今度は代表に聞いてみました。
元肥を入れてすぐに作物を植えると、病気になったり、虫が出たりするから。というのが代表の回答です。肥料をまいた後、作物を植えるまでの畑の中で何が起こっているのかについては、説明が長くなるので、また別の機会にゆずりますが、なんだか畑全体がでっかいぬか床のようですね。
後々追肥も撒くのにな?と思うかもしれません。種まきをして芽吹いたばかりの芽や、移植したばかりの若い苗はいかにも弱々しく、まだしっかり根を張っていないのでちょっとしたことでダメになることがあるのです。肥料を入れないと大きく育たないけれど、それが毒になることもあるなんて、ちょっと自分の食事のことなども考えてギクリとしたりして。
化学肥料と農薬を使えば、作業はもっとシンプルになりますが、有機栽培になると、この「待つ」という期間がけっこうたくさんあって、短期的に見れば効率の悪いことばかりです。しかし、冷暖房完備、食事は栄養ドリンクという暮らしをして病気もしないで元気だという人間を(少なくとも私は)見たことがないということを考えれば、それと同じようなやりかたで育てた植物や動物がどうなるのか。さらにその動植物を食べた人間は??
オーガニックやSDGsがファッショントレンドのように浅くばらまかれていることに、なんとなくモヤモヤしている生産者は多いと思いますが、そのモヤモヤをどう説明したら良いのでしょうね。。その責務から逃げてはいけないとは思うのですが、なにしろ田舎はやることが多くて忙しいです。