GWも去年とは違うムードの今年。事務所にいても、今日が祝日だということをすっかり忘れていました。農家としては一年のうちでも一番忙しい季節、近隣の田んぼには水が入り、田植えの準備もはじまっていますが、今年は頼みのGW援軍(県外在住の子や孫)もあてにはできないとあって、元々作ってもほとんど利益の出なかった田んぼをこの期にやめてしまう所もあると聞いています。

人間の生産活動が低下したせいで、大気汚染が改善しているというニュースなどを聞くと、自然界にとっては必ずしも悪いことばかりではないのかもしれません。人口も経済も、拡大を続けることが前提のシステムなんて成立するはずはない。というのは、日々作物を育てるような仕事をしているとすぐにわかるようなことなのですが、ことさらそのことに疑問を呈して来なかったことにも責任はあります。

昨夜は雨でした。露地はカラカラに乾いていたのでほっと一息。
少なくともこの国において、いろいろな無駄をコンパクトに美しく畳んでいくための工夫が必要であることは、ずいぶん前から分かっていたことだと思うのですが、そのことに真面目に取り組まずに、目先の利益ばかりを追ってきた結果が今でしょうか。

畦に咲いていたタンポポ

これはアメリカフウロの花、高知が誇る牧野富太郎博士による命名。外来種です。
この辺境で、自分達の食べたい食物を日々育て、さらにその仕事で、地域と私達の暮らしを維持していくことを模索しています。人口が少なくなるなかで、本当に必要とされている仕事とはどんなものか、外国から輸入した食材に頼ることにどんなリスクがあるのか?そんなことを、都会にいるお客さんも巻き込んで一緒に考えていきたいのです。農業に従事している人の中でもそのあたりの認識には大きな差があります。簡単なことではありませんが、問題を他人ごとにせず、当事者としてしっかりと考えて、解決方法を自ら見出していかなければならない時期だと思います。
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