2019年06月10日

野菜を育てる・野菜に育てられる

ブログを担当して2年になります。実は自分でも家庭菜園をやっているのですが、きちんと勉強もしないまま、適当なやりかたをしてきたので、収穫があったりなかったり。労力と資材投入に見合っているのかといえば、とっても微妙な畑です。

プロの農家、しかも有機栽培というので、取材という名目で勉強できる!という下心も手伝い、代表やスタッフのみんなに色々聞いたり、畑を観察したり。週に一度は畑に行って、成長の様子や病害虫の状況なども撮影してきました。

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オクラの汁を吸うアブラムシ

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ミニトマトのうどんこ病

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なすの葉っぱを食べるドウガネブイブイ

そこで気が付くのは、病気や害虫の被害を受けている株は、他の株よりもどこか弱々しかったりすることです。病気なんだからあたりまえと思われるかもしれませんが、野生動物が、弱ったものから肉食動物に捕食されていくことなどを考えると、病害虫よりも先に、生き物としての活力の低下があります。その活力の元はといえばやはり、過不足ない肥料や水、気温や湿度のバランスなど、自分で動くことのできない植物に対して、生き物としての居心地の良さをいかに保ってやれるかにかかっています。

農薬や、化学肥料は本来、自然の中では淘汰されるような弱い個体さえもを助けるものでもあると思うのですが、そこから収穫される作物は、自然に健康に育った作物とはやはり違います。

日々畑を見つめ、そこから採れる作物を食べていると、作物本体の状態と、そこから収穫される食べ物の状態を繋げて考えることができます。たとえば今日のトマトが先週よりも美味しいのはどうしてか?作物の状態を知るために、見た目やデータの観察だけでなく、世話をしている畑でできたものを、実際に食べてみる、ということの重要性に気づかされます。肥料や天候で味や食感が変わるので、そこから、この時期はもっと水をやろう、だとか、次の追肥は種類を変えてみよう、など、次の仕事のヒントが得られるのです。

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毎日「じぶんとこの野菜」を食べていてこそ、「自分が食べたくないものは作らない」という気持ちになります。

そこにはマニュアルや教科書で得た知識ではカバーできない領域が広がっていますが、有機栽培では、このような感覚を養うことこそ大切です。理論上こうである、ということ以上に、今現在の作物の状態と、その時々の環境の変化の間の微妙なバランスを操っていくというのは、非常に繊細で難しい仕事です。そして何より経験がものをいいます。過去の失敗とその原因の分析が積み重なってはじめて見えてくることがあります。農耕的な社会において、年長者が尊敬されるのは、このような経験の蓄積があるためでしょう。

去年良かった方法が、今年はうまくいかないかもしれない。他所の産地で生まれた野菜が、この場所では違う育ち方をするのかもしれない。やってみたことだけが、積み重なり、次につながる足がかりになるのかもしれません。

posted by 大地と自然の恵みスタッフ at 09:35| Comment(0) | 有機農業の仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年06月03日

高知県農業大学校から実習生がやってきました。

高知で農業を学ぶ場所として、高知県立農業大学校があります。高知市の西隣のいの町にある2年制の学校で、実は、弊社の代表の出身校でもあります。
高知県立 農業大学校HP http://www.nogyo.tosa.pref.kochi.lg.jp/?sid=2010

先週は、その農業大学校から2人が農業実習に来てくれました。3日間と短い期間ではありますが、色々な作業を体験してもらいます。取材した日の午前中は選別作業中。作業の合間に少しお話を聞いてきました。

今回来てくれた実習生は女性2人、それぞれご実家が農家ということで、いずれは家業を継ぐためにこの学校を選んだということでした。農業では慢性的な担い手不足の昨今、とてもたのもしいです。

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ナスは学校でも栽培しているけれど、ここのナスはとてもきれいですね。と、コメントしてくれました。彼女のお家ではニラを作っているとか。

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彼女の家では切り花を育てているそうですが、今は野菜に興味があって、学校ではニラの栽培を勉強しているそう。

大地と自然の恵みでは、単一ではなく、複数の作物を栽培しているので、色々な作業を体験してもらえれば良いなと思います。若い人たちが農業に真剣に取り組んでくれている姿を見ると、とてもうれしい。作り続けるということは容易ではありませんが、明日の農業を支える貴重な担い手、期待しています。
posted by 大地と自然の恵みスタッフ at 10:28| Comment(0) | 有機農業の仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年04月05日

今週の畑

畑仕事は毎日の積み重ねです。いろいろな作物を育てているので、それぞれに気を配り、ちょうどよいタイミングで次の作業に入らなくてはいけません。それぞれの作業に適した日和があって、ちょうどいいタイミングを逃すと、生育や収穫に大きな差ができてしまうので油断できません。天気予報をにらみながら、毎日の作業予定を決めています。

先日撒いたオクラの種から芽が出ていました。ビニールの上からだ少し見えにくいですが、一か所に3個ずつぐらいずつ撒いています。オクラは背が高いので、1本だけだと風で折れてしまうこともありますが、3本植えると寄り添いあって育つので、途中で折れることはほとんどありません。

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ここ数日寒いので少し心配ですが、トンネルとチューブの湯たんぽででなんとか乗り切って。

さらにオクラ畑の隣のハウスでは茄子の苗が育っています。昨年はじめたばかりのナス、アブラムシとの格闘は記憶にあたらしいところですが、その反省を踏まえて、ハウス内の環境や肥料の種類を調整して、いざ、再挑戦!
外気温との差が大きかった前回の作と比べて暖かくなっているので、ナスたちの実力発揮を期待したいところです。

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ナスの苗はまだ小さめですが、既に花がついています。収穫が始まるのは今月末になりそうです。


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トゲトゲのついたナスの花。収穫が楽しみ。
posted by 大地と自然の恵みスタッフ at 12:07| Comment(0) | 有機農業の仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年02月18日

安心野菜の目印 〜有機JAS認証のこと〜

大地と自然の恵みでは、生産しているすべての農産物に対して、有機JAS認証を取得しています。お野菜のパッケージに、こんなマークが印刷されています。

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これは青ねぎのパッケージ。右上に見えるのが有機JASのマークです。

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さらにぐぐーっと寄ってみました。これが有機JAS野菜の目印です。

この有機JAS認証を取得するには、農薬、肥料、圃場の環境など、さまざまな取り決めに対して記録を作成し、規程を守って生産しているということを証明する必要があります。実はこれがなかなか大変です。本音を言うと、農家はできるだけ畑に出て畑仕事をしていたい。作物の面倒をみたり、畑とその周りの環境を整えたり、やることはいくらでもあります。

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それでも、毎年この認証を取得するための記録や書類作成に多くの時間を費やすのは、我々の仕事、有機農業の価値を、遠く離れたお客さんにも伝えたい、という思いがあるからです。

田舎では、あちこちに田畑があり、そこで何が行われているか、ある程度見ることもできますが、都会のお店で野菜を選ぶ人には、畑の様子は見えません。ですから、通常は、お店で手に取った野菜、自分や家族の口に入る食べ物が、どんな風に作られているのか、お客さんがひとつひとつ確認するのはとても難しいと思います。そんな時に、有機JASのマークが安心の手がかりになるならば、苦手な事務仕事に苦労した甲斐があります。

手間のかかる方法で、費用もかかります。単純に野菜を売って利益を得たい、と、考えるのなら、割りに合わないと思うのも理解できます。それでも、この場所で野菜を作り続けたい、値段以上に自分たちも食べて納得のいくもの、美味しくて安全なものを、と考えた末、私たちはこの方法を選びました。

有機野菜はそうでない野菜よりも割高になります。それでも、この取り組みを評価して、私達の野菜を選んでくださる人がいるからこそ、このやり方を続けることができています。そして有機野菜を選ぶお客さんも、年々増えてきています。

目先の利益、今の自分たちのお財布の中身、だけではなく、将来のこと、自分や家族の健康のことから、私たちの足元にある大地や大気、海や川のことまで、買い物を通してできることは、思ったよりも大きいのではないでしょうか。



posted by 大地と自然の恵みスタッフ at 11:33| Comment(0) | 有機農業の仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2019年01月27日

海外からの研修生たちのこと

  • 大地と自然の恵みには外国人スタッフが在籍しています。主にベトナム、インドネシアからの技能実習生です。

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先の国会で外国人実習生度に関わる議題が審議されていたので、メディアなどに取り上げられることも増えましたが、職種や受け入れ先ごとに状況はまったく違っています。ですから、ここでは2019年1月現在、弊社での受け入れの状況を、何回かに分けて紹介していきます。

もはや、欠かせない担い手として
現在、外国人技能実習生たちは、渡航前に本国の日本語学校や斡旋業者に学費や手続きにかかる諸費用を支払い、多くの場合その費用を借金でまかなっています。期間終了後に帰国して、習得した技術を生かした職業に就くことができ、安定した収入を得られるという展望があれば良いのですが、帰国後に活躍できる受け皿がなかった場合はこの制度を利用して、単に外貨を稼ぎにきただけ、ということになり、さらに、受け入れ側も研修生がようやく仕事にも慣れた頃には、帰国してしまうという状況を繰り返すために現場が疲弊していきます。

そうかといって、十分な受け入れ制度も整わないままに、単純に滞在期間を伸ばす、というのではあまりにも不公平で手前勝手なやり方のように思うのです。既に、彼らの力なしでは、日本の産業が立ち行かなくなっている状況があるのなら、あらためてその状況を直視し、お互いにとってより良い方法を模索する必要があります。

現実には、外貨を稼ぐことだけが目的でこの制度を利用する実習生も多い中、本国に帰って自分で事業を立ち上げたいという意欲を持った人ももちろんいます。農業を仕事にしたいという人、夢がある人を応援したい、経験を知識を持って、それに役立てて欲しい、お互いが一緒に仕事ができてよかったと言い合える関係を、外国人に限らず、ここにいる全てのスタッフとの間で築いていきたいのです。

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有機農業、10年、20年後のための種まきとして、新しい取り組み
大地と自然の恵みでは、既に何年も実習生の受け入れを続け、代表は何度もベトナムやインドネシアに直接出かけて、送り出し側の状況なども確認してきました。そのような積み重ねの中でようやく、それぞれの国の文化や体制や、日本で受け入れをする業界ごとの違いなど、今ある制度や枠組みでは解決しきれない問題があることがわかってきました。

要するに、まだ道がないところを進むのですから、自分たちでなんとか切り開いていくよりほかにありません。お互いにとってよりよいルートを探るため、本国に帰った元実習生や、有機農業をやっている仲間同士で協議を重ね、2019年度には、すべての実習生の受け入れ業務を、有機農業法人が合同で立ち上げた監理団体に移行することになりました。

既に、私達にとって欠かせない存在になっている外国人スタッフが、安心して働ける環境作りと、農業の担い手不足を解決することを目指しています。実習期間終了後も本国に帰国せず、日本で働き続けたいと言ってくれる実習生もいます。まだ始まったばかりで、これから、という段階ですが、お互いで築いてきた信頼関係を裏切ることがないように、大切な種を育てるような気持ちで、じっくりと取り組んでいきたいと考えています。
posted by 大地と自然の恵みスタッフ at 02:46| Comment(0) | 有機農業の仕事 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする