先週に引き続き、代表のニュージーランド出張取材をお届けします。
先週のブログにも書きましたが、今回の出張の主な目的は、農産品の流通取材。もちろん生産現場である畑にも足を運びましたが、広大な耕作面積に対して、日本よりも携わる人間の数も少ない中、どのようなオペレーションで収穫から出荷までの作業を行い、青果の品質を保ったまま流通に乗せているのか?ちょっと考えただけでも謎が多いです。
労働力の不足と外国人労働者
山地が多い日本に対して、平地の多いNZでは耕作面積が広く、日本と比較すると約2.6倍(NZ:1126万ha 日本:432.5万ha)。さらに農家一戸あたりの耕作面積は約200倍ですが、農業従事者の人数は少なく、様々な農作業に大型の農業機械が導入されています。一方で果樹の収穫など、機械でできない作業が増える時期には、近隣国からの出稼ぎ労働者や、ワーキングホリデーを利用した旅行者など、季節労働者を多く受け入れています。
左が現地の生産者。普段は家族だけで農場を運営し、収穫時などは季節労働者を雇い入れているそう。
オーガニックを完全に認証、という記述のある板を発見。(しかしその背景は竹藪?)
それがここ数年、コロナ禍で海外からの助っ人がやってこない状況が続き、せっかく実った作物を収穫することができない事態が発生していたとか。ここ最近になって、ようやく外国人の渡航が増え始め、代表も滞在中に、日本人やアジア系の人々をたくさん見かけたと言っていました。
ちなみに、NZの最低賃金は日本の倍ぐらいですが、生活にかかる費用や税金も高め。消費税は15パーセントで品目別の軽減税率などもありません。最低賃金が高いことと、円安が進んでいることから、日本からの移住者も増えているそうですが、家賃も高いことから、実際生活してみると、期待されるほど現金は残らないような気がします。
NZドルは今(2023年3月)ちょうど90円ぐらいとすると、このネギは300円ちょっと。税込みで表示されています。(左の札にはなぜかパック大根と書いてある)
キウイフルーツは現地では旬を外しているのですが、左側のゴールドキウイの方はproduct by New Zealandと記載がありますね。
1sあたり約1,700円で右にある普通のキウイ(イタリア産・1kgあたり約1,080円)よりもかなりお高い。
NZと日本の貿易収支を見ると、日本からNZに向けての輸出は自動車などの機械類、NZから日本に向けては、農産物が多く、金額ベースでは日本の方が黒字になっています。NZ国内で売られている農産品の価格を見ると、日本でのNZ産農産物の販売価格はおかしい(安すぎる)ように思えますが、日本から輸入される工業生産品の入っていたコンテナを空で返すと、輸入品に往復のコストがかかるので、送り返すコンテナに農産品を載せているのだ。ということでした。
コンテナを積み込む港湾の様子。
地球の裏側から届いたカボチャが100円で売られているのはなぜか?
私が常々、疑問に思っていたのは、海の向こうから届く農産品が、どうして日本国内で作られたものよりも安くなるのか?ということだったのですが、これは、日本から輸出されるものの多くが工業製品で、単価が高いということに所以しているようです。しかし、往路で高単価の工業製品を運び、復路の輸送コストがほとんどかからなかったとしても、NZの人が自国の農産品を買う単価よりも、日本で売られている価格の方が安かったりするので混乱します。
日本の食料自給率が下がり続けていることは不安の種ですが、農産物以外の工業製品を輸出している限り、一方的に売りっぱなし、という訳にもいかず、遠くから運ばれてくる農産品を減らすには、工業製品の輸出も減らす必要があります。これは経済成長を続けることを前提としている限り、到底受け入れがたいことかもしれません。
農業においても、収穫を増やそうとすると、より多くの肥料や労力を注ぎ込まなければいけませんが、増産に成功できたからといって、作ったものが売れなければ、また、流通がうまくいかず、消費者に届く前に品質が落ちてしまえば、むしろマイナスになります。
NZのような農業輸出国の状況を知る事で、あらために自分たちの国のおかれている状況を知り、今後、日本国内での農産品の消費と生産について考えるよい機会になりました。価格が安いものを大量に消費するというやりかたが行き詰っているのは明らかですが、それに応じて、私たちが何をすべきか、生産者として以上に、一消費者として意識を変えていくことこそ必要かもしれません。
posted by 大地と自然の恵みスタッフ at 12:00|
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有機農業の仕事
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