以前に、油について取り上げましたが、今度は調味料。単純に、塩、砂糖と言ってもその品質は実に様々。あまり考えずに、昔から使っている銘柄をなんとなく使い続けているという人も多いかもしれません。
台所に常備しておく調味料の種類は、台所の数だけ組み合わせがあります。特に日本の家庭料理では、和食以外に色んな国の料理が取り入れられていることが多く、うっかりすると調味料だらけ。。ここは基本に立ち返り家庭科でも始めの方に習う「さしすせそ」に絞って紹介しようと思います。
さしすせその「さ」は砂糖の「さ」
調味料の「さしすせそ」とはそれぞれ、和食でよく使われる5種類の調味料を指し、その並びは、調理の際に食材に加える順番を示しています。
1.さ→砂糖
2.し→塩
3.す→酢
4.せ→醤油(古い仮名遣いで「せうゆ」から)
5.そ→味噌
そして、今回はその筆頭である砂糖について。みりんやお酒、甜菜糖やハチミツなど、砂糖以外にも色々な甘味料がありますが、一番良く使われるのが、サトウキビを原料とした砂糖です。
かつて砂糖は大変に貴重なもので、庶民は手に入れることも難しいという時代もありましたが、戦後、砂糖の価格も徐々に下がり今ではとても身近な食材になっています。最近では健康志向から、砂糖や甘みは控える傾向にありますが、砂糖には甘みをつける目的以外に、焼き色をつけたり、生地をしっとりとさせる効果もあり、甘みを控える目的でやみくもに分量を減らすと、色が悪くなったり、固くなったりと、料理の仕上がりに影響する場合もあります。
砂糖が「さしすせそ」の筆頭にあるのは、主に加熱調理の際、たとえば肉じゃがを作る場合など、砂糖より先に塩気(塩や醤油)や酸(酢)を加えてしまうと、食材が固くなり、食材に甘みが染み込みにくくなってしまうからです。(煮汁は甘いのに、ジャガイモは固くて味が染みていないという出来の肉じゃがを作ったことのある人は大抵これが原因 )さらに酢、醤油、味噌の三種類は発酵食品で、長く加熱すると酵素や独特の風味が損なわれるため、調理の終盤に使うことが多くなります。
サトウキビを原料にした糖類の中でも、色々な種類があります。
1・黒砂糖
2・きび砂糖
3・粗糖(花見糖)
4・上白糖
5・三温糖
6・粉糖
7・グラニュー糖
8・氷砂糖
※ リストは上に行くほど、原料に近く、下に行くほど加工・精製が進んでいて、糖以外の成分が少ない状態です。
原料であるサトウキビの茎を圧搾して、糖分を含む液を絞り、不純物を分離する前の段階で煮詰めて固めたのが黒砂糖。食べたことがある方はご存知だと思いますが、黒砂糖には甘みだけでなく、独特の風味の中に苦みやコクがあり、料理の種類によっては、その個性が邪魔になることもあります。黒砂糖として消費されるのはほんのわずかで、多くの場合、ここからさらに精製してさまざまな種類の砂糖になります。
加工の段階で、糖分以外の成分を徐々に分離していきますが、分離した糖蜜はモラセスとも呼ばれ、ラム酒や焼酎の材料になったり、健康食品の材料になったりもしています。(だから黒砂糖よりも工程の多い白砂糖の方が値段が安い)
最近では精製度の高い白砂糖やグラニュー糖が有毒であるという議論も多く、摂取を避ける人もいますが、個人的にはどれも程度問題であると思っています。精製度の高い砂糖では、雑味がないことによるメリットもあるのですが、砂糖の種類による味の違いについては意識している人は少ないかもしれません。私個人の印象ですが、白砂糖よりもきび砂糖や粗糖の方が、砂糖本来の風味があり、美味しいと感じるので、普段私がが調理用に常備しているのは「きび砂糖」です。すっきりしたいジンジャーエールなのどレシピにはもう少しあっさりした「粗糖」を使っています。ここでさらにすっきりしていそうなグラニュー糖を使っていないのは、どちらかというと産地確認の問題。グラニュー糖は原料の産地表示がないものがほとんどで、国産なのか輸入なのかもわかりませんが、きび砂糖や粗糖の場合、「種子島産」などの具体的産地の表記がなされていることが多いということがあります。
どちらにせよ取りすぎれば良くないというのは変わりなく、できるだけ素材本来の甘みや旨みを引き出す調理法を工夫したり、みりんや酒などを使用するなど、おやつや飲み物以外でも糖分を摂りすぎないように工夫しています。甘いものは心の栄養、というと言い訳のようですが、楽しみのために、食べ過ぎないように注意しつつ、時々はきらびやかなスウィーツを食べたりするのも悪くないと思います(ただしその頻度は問題ね)
ちなみに市販の清涼飲料水には砂糖ではなく「果糖ブドウ糖液糖」が使用される場合が多く、この糖液は砂糖と比較して甘さがすっきりしているので、知らず知らずのうちに糖分を取りすぎてしまうので、注意が必要です。糖分の過剰摂取によって、虫歯や糖尿病などのリスクが高くなることは良く知られていますが、さらに原料のトウモロコシは遺伝子組換えである可能性が高いのです。果糖ブドウ糖液糖については、安価であるため、ファーストフードや低価格の加工食品に使用される割合も高く、所得の低い層ほどこれらの食品の摂取量が多くなっているということも気になる点です。
以前に取り上げた油の場合と同様、これを使用した加工食品にはそのことが記載されることがないために、知らず知らずのうちに、遺伝子組換え作物を摂取してしまうことになります。遺伝子組換えといえば、自然食品のイメージが強い「甜菜糖」は国産でもほぼ遺伝子組換え作物になっていると知って、こちらも選択肢から外しました。過敏と思われるかもしれませんが、その安全性に結論が出ていない新しいテクノロジーをまず疑ってかかるということは、常に大きな流れに翻弄される私たちに残されたわずかな自衛手段だと思うからです。
どんな食品でも、安心して食べるものを手に入れるために、原料の由来や加工方法がはっきりと示されたもの、さらには生産者が見えるものを選ぶということに行き着きました。野菜だけではなく、自分や家族が日々口にするもの、さらに生活で使用する日用品や衣類についても、どんな風に作られたものかを意識して選択するということは、社会を変える第一歩ではないでしょうか。
砂糖のことを説明するつもりがちょっと風呂敷を広げすぎたようですが、とても大事なことだと思っているので、一人でも多くの人に届けばと思いつつまとめています。最後までお読みいただき、ありがとうございます。
posted by 大地と自然の恵みスタッフ at 10:32|
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